
論理的に考えようとする態度を「屁理屈」「口だけで行動しない」というようなマイナスの評価でとらえることが、日本では普通だった。ものを考えずに馬車馬のように行動する人が日本企業では評価されたものだが、時代はすっかり変わり、今やビジネスのヒーロー・ヒロインは、パソコンでスマートなプレゼンテーションを操り、多くの人を動かすことができる人になっている。
しかし、見た目のスマートさはパソコンが助けてくれても、提案そのもののスマートさは自分の脳でつくり上げるしかない。そう思ってあれこれ頭を動かしてみるものの、気がつくと堂々巡りをしていたり、「これは完壁!」と思って提案してみると、鋭い指摘の一言でへこまされたり……。そんな経験をした人の中から、気がつく人が現れ始めた。「自分に不足しているのは<頭の使い方>だった!」これが今、ビジネスパースンの間で論理思考が注目される理由だ。本書は実際のビジネスパースンに演習を解いてもらい、それを筆者が講評する形で進む(第2部)。あなたも「バーチャル受講生」といっしょに実際に課題に挑戦し、脳と手を動かし、演習に取り組んでほしい。ビジネスの基礎体力となる論理思考を大幅に鍛えることができるに違いない。
プロローグ 脳で汗をかこう!
1.論理思考を鍛える練習は前頭葉のエクササイズ!
2.本書で学ぶと何ができるようになるのか?
3.効果的に本書を使いこなす方法
4.なぜ本書が論理思考の本として信頼に値するのか?
第1部 理論編(論理思考の基礎)
第1章 論理思考ができると仕事はどう変わる?
1.自分のアイディアで人を共感させ動かせるようになる
2.短時間で道に迷わずに思考できるようになる
3.行動する前に考えることの重要性がわかる
4.論理思考と屁理屈は違うものだとわかる
5.非論理的な上司に対しても論理思考は価値がある
第2章 論理思考のツール
1.論理思考に有効な「思考のツール」
2.思考のツール1/帰納法とその限界
3.思考のツール2/演繹法とその限界
4.思考のツール3/MECEとその限界
5.思考のツール4/ロジックツリー
6.思考のツール5/ピラミッドストラクチャ
7.ピラミッドストラクチャの注意点
第3章 思考をドライブするための手法
1.考え続けるための手法を身につける
2.手法1/So What?
3.手法2/True?
4.手法3/How?
5.思考を混乱させる4つのトラブルメーカー
第2部 実践編(論理思考のトレーニング)
STEP1 確実に言えることを判断する
1.隠れた前提を排除し、思い込みを取り去る
2.課題1/ベトナム退役軍人
3.課題2/住宅金融公庫
4.課題3/遺伝子組み換え作物
5.課題4/中国のハッカー
6.わかることと、わからないことを区別する
STEP2 短い命題の論理の穴を発見する
1.言葉の意味をいつも吟味する
2.課題1/IT導入
3.課題2/セクショナリズム
4.課題3/残業
5.課題4/狂牛病
6.課題5/仕付け糸
7.簡単に納得しない思考力
STEP3 会話をしながらイシューを押さえる
1.イシューとは何か
2.課題1/業務改善
3.課題2/ひとり遊び
4.課題3/電子コミュニケーション
5.会話から価値ある情報を掘り起こす
STEP4 長文の論理を構造化して理解する
1.文章のロジックを構造化する
2.課題1/公害白書の論説
3.課題2/土地関連税制の論説
4.課題3/夫婦別姓の論説
STEP5 ロジックの弱点を発見し、効果的に主張をつくる
1.ロジックの弱点を発見する
2.課題1/公害白書の論説
3.課題2/土地関連税制の論説4.課題3/夫婦別姓の論説
5.反論のためのロジック
エピローグ 論理思考を身につけるために
論理思考を自分のものにしよう
1960年東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業の後、コピーライターを経て、執筆、コンサルタント(人材・人事、経営戦略、環境経営)、講師・ファシリテータとして活動。現在、株式会社水族館文庫代表。グロービスマネジメントスクール講師。デジタルハリウッド大学講師。日本工業大学専門職大学院客員教授。NPO法人環境リレーションズ研究所監事。 仕事の領域は、論理思考、おとなの社会科(環境問題を含む)、ライフデザイン。仕事の形態は、(a)講師、(b)メンター、(c)著述。 おもな著書に『はじめてのロジカルシンキング』『初めてのロジカル問題解決』『論理力を鍛えるトレーニングブック』『環境経営の教科書』(かんき出版)、『渡辺パコの35歳からは好きなことでお金を稼ぐ』(JMAM)、『先見力強化ノート』(ビジネス社)などがある。