著者インタビュー第22回目のゲストは、『社長の仕事』著者の浜口隆則さんです。
『戦わない経営』『仕事は味方』をはじめ、様々な著作を執筆されてきた浜口さんですが、本書では社長とはどのような存在であるべきなのか、社長が存在する理由とは何かについて迫っています。起業されて以来、様々な苦難を乗り越えてきたからこそ至った浜口さんの境地は、経営者はもちろん多くの方も参考になることでしょう。
今回のインタビューでは「社長同士での対談」と題して、株式会社オトバンク代表取締役社長の上田渉さんを招き、浜口さんと対談して頂きました。
―前編:社長は自分と向き合わなければいけない―
| 上田渉さん(以下、上田) |
この『社長の仕事』を拝読いたしまして、たくさんの金言を通して私自身、確認したことがたくさんあり大変参考になりました。その中で今回、浜口さんにお聞きしたいことがございました。 |
|---|---|
| 浜口隆則さん(以下、浜口) |
いきなり難しい質問ですね(笑)。やはり心・技・体が揃っていることは重要だと思いますが、素質というものをどう捉えるかによって回答が変わってくるのではないでしょうか。経営をする上で持って生まれた何かが必要かというと私はそうではないように思います。 |
| 上田 |
P・F・ドラッカーは真摯さが重要だと考えていましたし、浜口さんも本書の中で『雪が降っても、自分の責任』という境地に達することが大事だと述べられています。これらは素質と呼ぶにはちょっと違うかも知れませんが、先天的な性格であったりもするのかなと思うんですね |
| 浜口 |
基本的に私は、人間はものすごく可能性を秘めていますから、生まれ持った素質がないと何もできないというのではないと考えています。もちろん何兆も収益をあげるくらいの大企業を築き上げるためには、すごい才能に恵まれていないとできないのかも知れませんが、基本的に何億円というレベルの企業であれば、重要なことは才能ではなくて後天的な部分だと思いますね。『雪が降っても、自分の責任』はその後天的な資質をのばすための考え方の1つで、自分の身の回りで起こったことは自分の責任だと考えることがすべての出発点になるのではないかと思います。 |
| 上田 |
浜口さんがその境地に至ったエピソードを教えていただけますか? |
| 浜口 |
恥ずかしい話なのですが、最初に起業をしたとき、私の会社のモデル(レンタルオフィス)が新しかったこと、そして自分が未熟だったことなどからものすごく苦労したんです。そして、3年ほど厳しい時代が続き、追い込まれて、追い込まれて、追い込まれて初めてそういった境地に立ちました。 |
| 上田 |
そうですよね |
| 浜口 |
でも、雪が降ってもお客さまが来ないのは自分の責任だと思えば、雪でもお客さまが来る方法を考えることができます。そう考えると、どんどん人は成長していけますよね。 |
| 上田 |
社長のところに仕事がどんどん入ってくる状態はあまり良くないですよね。会社が大きくならないし、まわっていかない |
| 浜口 |
社長の考え方は社風にかなり影響しますから、社長が言い訳ばかりしているとそういう社員が多くなっていきますし、トップとしてどう考えるのかということは良い意味でも悪い意味でも重要ですね。だから、トップが自分の責任だと考えることによって全体に影響していって、周囲から“この会社、いいな”と思われるようになるんです。 |
会計事務所、経営コンサルティング会社を経て、大好きな起業家を支援する仕事をするために20代で起業する。「日本の開業率を10%に引き上げます!」をミッションにしたビジネスバンク社はレンタルオフィス事業、会計事務所、ベンチャーキャピタル会社、起業家教育事業など、起業を総合的に支援するグループに成長している。数千社という起業の現実を見てきた「起業の専門家」でもあり、「戦わない経営」「幸福追求型の経営」「小さな会社のブランド戦略」「経営の12分野」など、独自の経営論で全国のオーナー経営者から若い起業家まで幅広い層から支持されている。著書に『戦わない経営』『仕事は味方』『だれかに話したくなる小さな会社』『My Credo(マイクレド)』『社長の仕事』(かんき出版)、『「心の翼」の見つけ方』(フォレスト出版)がある。横浜国立大学教育学部卒、ニューヨーク州立大学経営学部卒。
社長の仕事
定価:2,100円(税込)
ISBN:978-4-7612-6775-9
発行日:2011年9月1日