風邪を引いていた時、久々に塩野七生の「ローマ人の物語―ユリウス・カエサル」を読み返した。
その中で、カエサルが突然2ヶ月の休みをとって、クレオパトラとエジプトを旅したという記述に、目が留まった。
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休暇は、二ヶ月にも及んだ。ポンペイウスを降してローマ世界の第一人者になったものの、ポンペイウスの残党は、エジプトとは陸続きの現チュニジアや現アルジェリアで、反カエサルの刃を磨いていたのである。その中での二ヶ月間を、ナイルの周遊をしながら、愛人とともに悠然と愉しんだであった。
当時でも、クレオパトラの魅力に溺れたがゆえと解した人もいたし、いかにもカエサルらしい、大胆このうえもない行為と解した人もいた。多分この両方であったと思う私だが、もう一つつけ加えたい気もする。
この時期のカエサルは、心身ともに休養を欲していたのであろうと思う。アレシア攻防戦からファルサルスの会戦までの五年間というもの、カエサルは、緊張をゆるめることさえ許されない歳月を送ってきた。最大のライヴァルであったポンペイウスも、もはやこの世にいない。天才だって、ストレスはたまる。新たなる活動に入る前にストレスを解消しておく必要は、誰にだってある。自己制御能力とは、緊張の張りとゆるみを自ら制御する能力でもある。
(「ローマ人の物語―ユリウス・カエサル ルビコン以後(上)」 塩野七生)
私は「ゆるみ」の苦手な人間で、ストレスを溜め込む傾向がある。カエサルのような、真に生産的な人生を送るために、充実した自分ならではの「ゆるみ」方を考えたい。
やまなか
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