先日NHKスペシャルで、硫黄島の特集をやっていた。硫黄島とは、第二次大戦中に、日本軍。。。22000人が全滅し、かつ米軍も7000人の死者を出した激戦区だ。テレビを見ていて、その悲惨さに改めて、感じ入るものがあった。
私が硫黄島に関心を持ったのは、2002年の夏、米ピッツバーグの老人ホームで経営再建の仕事を手伝っていた時だ。老人ホームに住み込みで働いていた私を、ピッツバーグの老人達は暖かく迎えてくれた。
その中に、ホーム入居者のCarl Weaver氏がいた。彼は硫黄島を闘った、海兵隊員だった。彼は初対面の私の手を握って喜び、「こんなところで『ジャップ』に会えるとは、思わなかった。」と言って笑ったものだった。言葉は出にくくなっていたが、背筋が伸びて、眉間に意志の強さを感じさせる、典型的な退役軍人だった。
彼の部屋を訪問すると、硫黄島戦勝記念グッズが山ほど飾ってあった。犠牲を乗り越えて実現した硫黄島の攻略は、米海兵隊員にとって、勇敢さとヒロイズムのシンボルなのだろう。
その後Weaver氏は、私にいろいろなプレゼントをくれた。そして、一通の長い手紙をくれた。手紙には、真珠湾攻撃から始まる、太平洋戦争の歴史が綴ってあった。そして最後に、以下のような言葉で結論づけられていた。
「真珠湾攻撃後、私達の日本人に対する憎悪は、凄まじいものだった。しかし、私がこの手紙を書いているということは、この憎悪が消えたことを意味している。平和と、相互理解と、そして善意が、日米両国間に広がっている。そして私は、この地、アズベリーハイツ(老人ホーム)で、君という日本人に出会った。自分が心から好きになれる、尊敬できる日本人に。」
この手紙は、私の人生で最良の宝物である。
私がこの老人ホームを去ってしばらくして、Carl Weaver氏はなくなった。彼にとって私との出会いは、60年ぶりの日本との和解を意味したのだろう。
硫黄島の特集を見て、久々にWeaver氏の笑顔が、思い出された。経営とも本とも関係ないが、大切な思い出として、書き留めておきたい。
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