Ultimate Clash

2006年05月20日

日経新聞「駆ける魂」からの引用。

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その言葉を聞いただけで、選手たちは高ぶった。「アルティメット・クラッシュ(完全にたたきのめしての勝利)」

清宮が2002年、ラグビー部の先輩で親交のあった在イギリス日本大使館の参事官、奥克彦に依頼して出来上がった有名なスローガンである。

03年11月、奥はイラクで大使館所有の車に乗っていた際に襲撃を受けて死亡した。悲報を受けた清宮は、泣きながらこの言葉が出来上がった経緯を選手達に説明したという。

「このスローガンがあったからこそ、早稲田は一つにまとまれた。これがあってこそ、早稲田はたくましくなれた」清宮はそう断言する。

「アルティメット・クラッシュ」には、いろいろな意味が含まれている。なにごとにも立ち向かっていく勇気。80分間あきらめずに戦い抜く精神力。ひとつのプレーに対するこだわり。そして、平和でいることの大切さ・・・。昨季の主将・佐々木隆道も言う。「僕たちはその言葉を聞くだけでひとつになれたし、もっとやらなければと力がわき出た」

早稲田に脈々と流れる「荒ぶる」の心。それに「アルティメット・クラッシュ」の精神が加わり、早稲田は大きなエネルギーを得た。

(日経新聞5月19日夕刊 「駆ける魂 サントリーラグビー部監督 清宮克幸)

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明治大学ラグビー部にも、そのポリシーを体現する「前へ」というシンプルな言葉が、北島元監督によって残されている。言葉に魂がこめられ、伝説となって語り継がれる。そんな言葉が、組織を強くする。

山中礼二



清宮監督のリーダーシップ・スタイル

2006年05月18日

最近スポーツの話題ばかりで、ビジネス書を読んでいないのがバレバレだが・・・。

早稲田大学ラグビー部を劇的に再生した、清宮監督(現・サントリーラグビー部)についての記事が、日経新聞に載っていて、興味深い。

(引用はじめ)
「自分の思い通りにならないと気がすまない性格」。清宮は自己を分析する。 (中略) 実は、勤務していたサントリーのリーダー研修で、清宮は「リーダー失格」の評価を受けたことがある。ディスカッションで自分の意見を一方的に述べ、他人の意見にほとんど耳を貸さない。ふんぞり返ったような態度を取る。研修のテーマは「共創」。そのため、部下や同僚の意見をくみ上げながら一つの物事を作り上げていくには向いていないと、研修での講評は散々だった。

確かに大勢の人の声に耳を傾けながら、人々を導いていく調和型の指導者はいる。だが、清宮が求めるリーダー像は全く逆だ。「自分の意見に対し、全員を『ウン』と納得させることができなければ、リーダーは務まらない」

(日経新聞 夕刊 2006年5月16日 「駆ける魂」)

強いリーダーになるためには、いくつか必要な心理学的特質がある。そのうちの一つは、「権力(パワー)に対する強い欲求」だと思う。この欲求を、高い理想実現のために発揮する時に、リーダーは凄まじい力を発揮する。

山中礼二


ウナギをつかむ話(王貞治)

2006年05月03日

バッティングについて悩みを抱えたイチローが、王貞治にアドバイスを仰いだ話である。

(王貞治氏 談)
「彼(イチロー)がバッティングで悩みがあるというんで、僕も現役の間は悩み通しだったよといったんです。バッティングのコツはウナギみたいなもので、つかんだと思ってもスルリと抜けちゃう。だから追い続けるんですね。この話は彼にしていないと思うけど、僕が現役で苦しんでいたとき、当時の川上哲治監督がうちにみえたんです。」

(インタビュアー)「打撃の神様が、ですか。」

(王貞治氏)
「ええ。何事かと思ったら、自分も現役のときは悩み続けていたという話をしてくださった。神様といわれた人でもそうなのかと思えば、こっちは練習あるのみでしょう。」(中略)「一流になりたければ、まず畏れを知ること。不安や恐れと闘って勝つためには、必死で練習するしかないんです。」
(朝日新聞 2006年4月29日)

真のプロフェッショナルを目指す人間にとって、道は極まることがない。生半可な自分の実力に自信を感じている状態が一番危険だと、常に自戒したい。

山中礼二